東京ブラックホール(2020東京オリンピック編)
(東京ブラックホールは主人公が戦後0年や、1964年にタイムスリップして
当時を追体験した後に現代に戻ってくるNHKのドラマ、おもしろいよ)

第一部、V1.0

そう、これは令和2年7月27日のお話。
この日は私にとって特別な日になるはずの日だった。

朝、目覚めた。
目覚めてそうそう二日酔い特有の強烈な頭痛に襲われている。
とても長い悪い夢を見ていた気がする。
昨日そんなに飲んだのか?全く思い出せない。
とりあえずコーヒーを入れてデスクに向かう。
仕事はテレワークだ、テレワーク?
そうだオリンピック期間中はテレワークが推奨されているのだった。
うちの会社も何年も前から試験的にこの時期テレワークをやっていたんだったな。
記憶が曖昧になっているが、しかしながら出社していたころがはるか昔に思える。

今日がなぜ特別な日かというと、
オリンピックの競技の中で唯一チケットが取れた女子バレー予選の日だ。
将来大切な人になるはずの人と観戦予定で会場で待ち合わせをしている。
こちらも記憶が曖昧になっていてなぜか顔が思い出せない。

準備は万端ということで、さて出かけようと思ったが、
肝心のチケットの発行を忘れていたではないか、
こんな基本的なことを忘れるとは、そうとう浮足だっているなと思い、
落ち着いてチケットの印刷を試みるが発券不可となっており印刷できない。
あれ、おかしいなと思ったものの時間に追われているため
これ以上ドツボにはまることはできない、とりあえず会場となっている有明アリーナに向かう。
チケットの問題は会場についてからでも解決できるだろう。

道中、電車が嫌にすいている。
去年のラグビーW杯では外人が電車のなかで
輪になって国歌なのか大合唱していたことだけが断片的に思い出せてきた。
しかし今はそんな光景は見られないどころか怖いほど電車が空いている。
会場までも道のりも人が少ない、
まるでオリンピックが開催されていないかのような日常の光景が繰り広げられていた。

なんとか会場にたどりついたものの、会場近くにさえ全く人がおらず静まり返っている。
もしやチケットが印刷できなかったのもこれのせいかと悪い予感は的中し
スタッフに聞いたところ東京オリンピックは無観客での開催となっているようだ。
そして待ち人もいなかった。
やはり今日目覚めてから何かがおかしい、悪い夢の続きを見ているようだ。

失意の中、スマホの画面を覗いたら今日の日付が令和3年7月27日となっている。
令和3年?2021年ではないか。
東京オリンピックが2021年に行われている?
そういえば、さっきから耳に入ってくる新型コロナウィルスと言う言葉、
新型ころなうぃるす?全く聞き慣れない言葉だ
新型ころなうぃるすの観戦に注意しましょう?何を言っているのだ、そんなフーリガンみたいなやつが東京にきているのかとおもったが
新型ころなうぃるすの感染に注意しましょう?こうゆうことだったのか
そんなことに感心している場合ではない
新型コロナウィルスの蔓延により図書館が封鎖されていたものの
押し入って調べ物をした結果、私はどうやら昨日まで暮らしていた
2020年7月26日から一年後の、しかも違う世界線の
2021A年7月27日にタイムスリップしてしまったようだ。

A付きの世界線の説明はBTTFを参照。

ほんの先日まで、平和な世界の中で東京オリンピックが開催されて
開会式ではリオの安倍マリオの再登場から始まり、
よく業界の垣根を超えて調整したなと思うほどに
アニメキャラ達のプロジェクションマッピングもすごかったし
京中の舞妓さんたちが各国のプラカードをもっての入場行進
これは日本にしかできないと世界中から称賛をうけた開会式からはじまり
そこから日本は連日のメダルラッシュ。
訪日外国人数も指数関数的に増加し
オリンピックは日本に莫大な利益と
日本人の心にも他人への寛容性と、ここから再出発という新しい気風をもたらして
何事もなく大盛況におわるはずだった
すべてが上手く回っているようにおもえた世界線から

一転して現在の世界線では前述の新型コロナウィルスの蔓延により
オリンピックが一年延期となり、
一年後もウィルスの猛威は収まらずにオリンピック開催にはこぎつけたものの、
外国人客の受け入れ中止や無観客での開催となっているようだ。

この世界線を修復するには過去のどこかに時点に戻って
世界線がネジ曲がる出来事を阻止するしかない
しかしながら私にはデロリアンもなければタイムマシンもない
まったくどうしたらいいのか、途方に暮れていたところ一つの答えにたどり着いた

そうだジェニファーだ、ジェニファーは劇中でも1985Aにとりのこされたものの
時の波及効果で最後は本来の世界線に戻ることができたではないか(ジェニファーもBTTFを参照
どうやらわたくしはそのイベントをまつしかできないことを悟ったのであった。
世界線の修復は別の方が行っているのだと思い、そのイベントを待つ事にした。

第一部完
ちなみに第二部も文章におこすだけのところまできております

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